新しいいちごの味わい「福島・鏡石いちごバター」 そこに秘められた想いとは

新しいいちごの味わい「福島・鏡石いちごバター」 そこに秘められた想いとは

 このたび八芳園は、福島県鏡石町と、同県郡山市の学校法人郡山開成学園・郡山女子大学附属高等学校との協同連携により、鏡石地域産品のリブランディング事業プロジェクトを始動しました。

第1弾として鏡石町のブランドいちご「鏡石いちご」をツールとした商品を開発しました。
鏡石町の魅力を伝えたいという地元の想いをのせて完成した新商品は「いちごバター」です。

 

鏡石町のブランドいちご「鏡石いちご」

ふくはる香

福島県の中央南部に位置する鏡石町は、標高280mほどの平坦な台地にあり、内陸性の温暖な気候です。水稲や果樹栽培などが盛んで、一戸あたりの農業所得は、県内でもトップクラスを誇ります。

特に「桃」「梨」「りんご」「いちご」「ぶどう」などのフルーツは芳醇な味わいで、鏡石町のふるさと納税の返礼品でも人気が高く、全国で愛されています。

中でも県内外で人気が高い「鏡石いちご」は、鏡石町で生産され、JAから出荷されている鏡石町産のブランドいちごの総称で「ふくはる香」と「とちおとめ」の2品種があります。

鏡石町では、鏡石いちごの2品種のうち、まずは「ふくはる香」の商品化を目指しました。

 

出荷できない甘いいちご…そして人手不足の課題を解消~産学連携プロジェクトのメリット~

郡山女子大付属高等学校

「ふくはる香」は福島県で生まれたオリジナル品種で、すっきりとした甘さと酸味のバランスが良く、長円錐形の美しい見た目が特徴で、県内でもまだ生産者が少なく、希少性が高いいちごです。

しかし、収穫する人手が不足しており、ゴールデンウィークを過ぎて出荷が間に合わなかった「ふくはる香」は、畑に残され土に還されてしまうという課題もありました。

そこで、人手不足でままならない状態だったいちごの収穫には、郡山女子大学附属高等学校の生徒たちが駆けつけました。

出荷できずにいた大粒のいちごをひとつずつ丁寧に収穫し、それらを冷凍して保存したものが、今回開発したいちごバターの材料として活用されています。

 

「ふくはる香」の風味を活かす商品を目指して

いちごバターの画像

豊かな甘みと爽やかな酸味のバランスが絶妙な「ふくはる香」の風味を活かすにはどの商品が最適か、多くの意見を交わしました。

ドレッシングやコンポートなど、さまざまな候補が挙がる中、選ばれたのは近年注目を集める「いちごバター」でした。

 

苺のうまみを引き出すバター選び

主役となるいちごの甘酸っぱい風味を活かすには「ふくはる香」に合わせるバターとのバランスがとても大切です。

より多くの方においしいと感じていただける「いちごバター」を作るためには、10代の高校生から60代の方々まで、幅広い世代の声が必要ではないかと考え、意見交換会を行いました。

国産バターにこだわって選定したバターの中から、どれが最も「ふくはる香」と相性が良いのか、さまざまな世代の方に試食していただいた結果、選ばれたのが「蒜山(ひるぜん)ジャージーバター」です。


アンケートでは、
「いちごの甘みと後味の中にしっかりとしたバターの風味が感じられる」
「さっぱりとして、いちごのフレッシュさ、ジューシーさがとても強い」等のコメントがあり、「とてもおいしい」という回答が、一番多く選ばれたバターでした。

また「いちごバター」を選んだ理由は他にもあります。それは鏡石町の観光スポットである岩瀬牧場の存在です。将来的には、バターも鏡石町で作られたものを使用し、素材からすべて鏡石町産のもので作りたいという想いがあるのです。

農業だけでなく、畜産や観光の活性化も視野に入れ、幅広く町の活性化を目指すプロジェクトの一環として「いちごバター」は最適な選択でした。

 

贈り物にしたくなる「いちごバター」が完成

いちごバターの画像

福島県と鏡石町の魅力を伝えるため、ラベルやパッケージのデザインも県内のデザイン会社に担当していただきました。

「鏡石いちごバター」の、新鮮ないちごの味わいやミルキーな香りが伝わるよう、いちご果汁の雫が広がっていくイメージがラベルに表現されています。

鮮やかな赤いトップシールが、かわいらしいピンクのボトルを彩り、プレゼントにも最適な「鏡石いちごバター」が出来上がりました。

トーストやヨーグルトに添えてもおいしい
いろいろ楽しめるいちごバター


ボトルを開けると、バターナイフからとろりとこぼれ落ちるほどやわらかないちごバター。

トーストにのせて一口食べると、いちごの甘さとさっぱりとした酸味、ふわりと香るバターの風味が、口いっぱいに広がります。

とてもまろやかな味わいで、パンはもちろん、ヨーグルトなどの乳製品との相性も抜群。
クラッカーにのせておやつ代わりに楽しんだり、クッキーにいちごバターをサンドして味わったり、手軽にいちごの味を楽しめます。

 

鏡石発、未来へつながる「いちごバター」が目指すもの

これからも、私たち八芳園は、一次産業が盛んな鏡石町の農産物や加工品を活用しながら、産学連携および産学官連携による持続可能な農業の維持・推進の支援をしていきたいと考えています。

経験や知識が豊富な農家の方から、新しい発想や情報力のある学生たちまで、さまざまな人々が交流することで、新たなアグリビジネスの誕生も期待できます。
「いちごバター」と同時開発を進めている「鏡石いちごミルクのもと」も今夏を目途に販売を予定しています。

八芳園がサポートするリブランディングプロジェクトはまだ始まったばかり。これからも、未来に向かって挑戦し続けます。