2020年10月15日(木)~18日(日)にMuSuBuで開催したこのイベントは、福島県立岩瀬農業高等学校と連携して開発した「無添加 糀あまざけ」をメインに、餅つきやあまざけカフェ、オンラインイベントなどを通じて、これからの未来に繋がるサステナブルアクションを紹介しました。
サステナブルアクションとは
「サステナブルアクション(Sustainable Action)」という言葉をご存じでしょうか。単語だけは聞いたことがあるという方も多いかもしれません。
※サステナブル:持続可能な 「sustain(持続する)+able(~できる)」
私たちが暮らす社会では、気候変動やエネルギー問題など、さまざまな課題があり、放っておくと、安心して暮らし続けることが難しくなるかもしれません。
サステナブルアクションは、決して難しい特別な取り組みばかりではなく、例えば、買い物をしたときにエコバックを使用することや、エレベーターではなく階段を使うことなど、日々の暮らしの中で環境への配慮を積み重ねていくことがもっとも大切なことです。
そして「食材を選んで食べる」という行為も、このサステナブルアクションのひとつなのです。
今回は、サステナブルアクションを感じていただけるよう店内の装飾も工夫しました。
生きるために必要な大切な食材のこと
~お米を通して楽しく学ぼう~
いつも口にしている食べ物がどのように生産され、運ばれ、私たちの手元に届いているのか、生産される過程やその背景について考え、知る機会は少ないのではないでしょうか。
私たちは持続可能な未来について考える中で、東京2020大会の選手村で採用されたGood Agricultural Practices(農業生産工程管理)=GAP認証を得ている食材に着目しました。
生産者がGAPに準じて取り組むことは、安心で安全な食材を提供するだけでなく、生活環境や自然、生産者の労働環境まで幅広く守っていくことにもなります。
そして私たちがGAP認証の生産者が育てた食材を選んで食べることが、未来へと続く持続可能な社会を築き上げることにつながるのです。
昔ながらの餅つき体験
~伝統文化を体験しながら、お米の美味しさを再認識~
安全な食材を選ぶためにも食材のことを楽しく知っていただきたい。
日本の食文化に深く根ざしている食材であるお米は、毎日のご飯だけでなく、糀やお餅など、さまざまな形で日常のそばにあります。
最近ではなかなか機会がない「うす」と「きね」を使用した餅つき体験は、小さなお子さまに大人気。昔ながらのお餅つきを通して、楽しくお米の美味しさに触れていただく機会に。
小さな手で一生懸命お餅をつく姿に、会場からはほほえましい応援の声が聞こえ、つきたてのお餅はあまざけを使用した「あまざけしるこ」や「ずんだもち」「あんこもち」で味わっていただきました。
いつも食べているものがどのような方法で作られているのか、自ら作って食べる過程を通じて好奇心を持ち、この先、食べ物について考えていくきっかけになればうれしいです。
高校生が教えてくれるオンラインセミナー
~岩瀬農業高等学校の活動を通じてサステナブルアクションを考えてみよう~
「実際に生産した人」がどんな思いで生産しているのかを知ることは、食べ物を知る上で大切なことだと考えています。
「いまだ残る福島県農産物への風評被害を払拭し、安全であることを世界にPRしたい」という想いを原動力に、GAP認証取得に取り組む岩瀬農業高等学校と会場を繋ぎ、高校生の皆さんには「サステナブルアクションとは?」を学ぶオンラインセミナーの講師になっていただきました。
農作物の生産に対してどのような取り組みを行っているのか、またグローバルGAPとは何かを、実際に生産に携わっている現場の目線から解説していただくことで、より身近に感じていただけたのではないかと思います。
子どもたちから率直な質問が投げかけられ、一つ一つ丁寧に答える高校生の皆さんとのやり取りに、大人の方も真剣にうなずきながら、世代を超えた学びの時間をお過ごしいただきました。
また、セミナーでご紹介した「種蒔く高校生」のロゴが印刷されたトートバッグを購入してくださる方も多く、環境に優しいアクションについて、早速行動に移していただけたことを感じました。
食べて知る!食べ物や豊かな食卓を守るために大切なこと
~期間限定あまざけカフェをオープン~
あまざけカフェで提供したあまざけスイーツには、砂糖の代わりに「無添加 糀あまざけ」を使用しました。
「無添加 糀あまざけ」の自然な甘さを活かして、「あまざけプリン」、さらに福島県産フルーツをふんだんに使った「あまざけスムージー」など、さまざまなレシピを作成。
あまざけならではの体にやさしい甘味を味わっていただきました。
会場では、お餅やあまざけの他にも、GAP米や「岩瀬農業高等学校産GAP米おむすびセット」福島県の日本酒、福島県のお米も販売しました。
岩瀬農業高等学校産のGAP米は、あまざけやおにぎりを食べて、どんなお米なのか興味を持たれた方々が、つぎつぎと手に取ってくださいました。
持続可能な未来のためには、良い生産物を作り、それを価値ある形で消費者に届けなければ流れが続きません。
八芳園と岩瀬農業高等学校が共に作り上げたあまざけを、イベントを通じて知っていただき、手に取っていただくことで、そのきっかけになれたのではないかと感じています。
MAZAKE POPUP EVENTを通して
福島の豊かな自然の中で育まれた美味しいお米を通じて、食べ物や豊かな食卓を守り、未来につなげて行くには一体なにが大切なのか、イベントを通じて多くの方に感じていただけたのではないでしょうか。
今回のイベントでは、未来の農業を担う高校生達のサステナブルアクションを通じて、グローバルGAP米の存在や、あまざけ、そして福島のお米やお酒など、さまざまな製品をご来場の皆様に知っていただけました。
地元で生産している農産物・水産物・畜産物の存在をPRし、広めていくことで、その先にある未来の持続性を考える機会にしていただく。産学官が手を取り合い、次の未来のために模索するきっかけでありたい。そう願っています。
これからもMuSuBuのポップアップイベントは、全国の生産物を幅広く紹介し、サステナブルアクションへつながる活動を続けていきます。