“フルーツ王国”「山梨市」の桃やシャインマスカットが大人気! 生産者とのオンライン交流も好評の「山梨市フルーティフェス」

“フルーツ王国”「山梨市」の桃やシャインマスカットが大人気! 生産者とのオンライン交流も好評の「山梨市フルーティフェス」

八芳園のポップアップ型ショールーム「MuSuBu」。日本と世界、地域と都市、そして人と人を“むすぶ”場として、全国各地のおいしい食材や、生産者の方々のこだわりを、「イベント限定のメニュー」やさまざまな「オンライン交流」を通して、都内の皆さまに発信するイベントを開催しています。

その一つ、2021年8月に行われた「山梨市フルーティフェス」を紹介します。

 

5日間で700人超が来場。
“フルーツ王国”らしい、果物の魅力を生かした直売やオリジナルメニューが大人気。

MuSuBuは2020年8月にオープン。これまで数多くの企業や自治体、生産者の皆さまにご利用いただき、今では多くのお客様にお越しいただける場所になりました。

来店される方は、プラチナ通りを散策するご家族やカップル、近隣にお勤めの方、お住まいの方など年齢層も様々で、抱きかかえていただければペットと一緒の入店も可能です。

そんなMuSuBuで2021年8月18日から22日まで5日間限定のイベント「山梨市フルーティフェス」を開催しました。“フルーツ王国”と称されるだけに、もぎたてのシャインマスカットや桃の直売コーナー、現地の果物を使ったスイーツのカフェが話題を呼び、700人を超える方にお越しいただく人気イベントとなりました。

「山梨には一升瓶に入ったワインがある」「しかも湯呑で味わう」。現地とのオンライン交流が面白い。

 葡萄生産者とのオンライン交流

そもそも山梨市と八芳園は、東京2020大会におけるホストタウン活動を通じて出会いました。

コロナ過での開催でしたが、たとえ訪れることができなくても、まるで現地を観光し、食を楽しみ味わっているかのような体験ができるのもMuSuBuのイベントの特徴です。

今回も湯呑でワインを飲むという独特の文化を体験していただく機会として、葡萄の生産者でありワインの造り手でもある田草川氏とオンラインで直接、会話ができるコーナーを設けました。

画面の向こうにいる田草川氏から「2021年は天候不順ながらも上々のシャインマスカットを収穫できた」、「山梨では個人が醸造したワインを一升瓶に入れ、グラスではなく湯呑で味わう」といった、現地ならではの話題を提供いただき、来場者からも次々と質問が出て盛り上がりました。

圧倒的人気はシャインマスカットと桃の直売。午後には完売してしまうのでスタッフが山梨まで採りに行く日も…。

 シャインマスカットや山梨市産の桃の直売

フルーティフェスで圧倒的な人気を誇ったのが、田草川氏が育てたシャインマスカットや山梨市産の桃の直売です。売り切れてしまう日も多く、翌日の販売に間に合うようにスタッフが現地まで車を走らせる日もありました。

収穫したばかりの果実はみずみずしく、シャインマスカットの弾ける食感とあふれる果汁、桃のシャキシャキとした歯応えと華やかな香りは絶品そのもの。値段も手頃で「昨日ここで購入したけど、あまりにもおいしかったので再び買いに来た」という、うれしいお声も聞けました。

また、フェス期間中はMuSuBuのエントランスに桃のオブジェを吊るし、まるで果実が空中を漂っているような演出で、プラチナ通りを行き交う人々の目を引きました。さらに、鉢植えでシャインマスカットの樹木を配し、実がどのように結ぶのかをひと目で伝えるなど、来場者の知的好奇心を満たすことも意識しました。

カフェには山梨の果物を使ったオリジナルメニューが登場。東京2020大会に合わせたコラボレート料理もご提供

山梨県産桃のかき氷を食べる男の子

直売と並び、イベント限定のカフェメニューが人気でした。

シャキシャキとした歯ごたえのある果肉が特徴の山梨の桃をふんだんに使った「もも氷」、「ドイツ風ポテトサラダとミュンヘンの白いソーセージ風テリーヌ」、「マスカットとキルギスのチーズケーキ」などです。山梨市のホストタウン相手国であるドイツとキルギスのレシピをベースに、山梨市のシャインマスカットやフルーツトマトを使用して八芳園シェフがアレンジした特別メニューです。

「食べる」という身近なことから、ホストタウン交流活動を知っていただく機会になりました。

看板メニューは「桃のフルーティピッツァ」。
未利用の果実を使った、おいしくてフードロス解消につながる一品

山梨Cityフルーティピッツァ(桃)の画像

そして、カフェの看板メニューになっていたのが「山梨Cityフルーティピッツァ(桃)」です。

フルーティピッツァができたきっかけは、山梨市を視察した八芳園のスタッフが農園の片隅に廃棄されて山積みになっている果実を見つけたことでした。

当時、生産者たちは雨風などで落下した桃が、十分に食べられる状態だと分かっていても「人手不足や高齢化のため収穫するだけで手がいっぱい。落ちた果実に目を向ける余裕が無い」という状況だったのです。

そこで山梨市と八芳園は「これはもったいない。どうにか活用できないものか」と共同プロジェクトを発足。質の高い未利用の果実をできるだけ無駄にしない、フードロス解消につながるレシピの研究が始まりました。そして、「山梨Cityフルーティピッツァ(桃)」が完成しました。

真空&冷凍保存で桃の食感と小麦香る生地は焼きたてそのもの。もちろんフルーティピッツァも売り切れ!

山梨Cityフルーティピッツァ(桃)を楽しむ人

山梨市の農園で集められた未利用の桃は、まず八芳園で一次加工され、北海道の人気ピッツェリアで生地に乗せて焼き上げます。同じくホストタウン活動で出会ったピッツァ職人の宮本氏は、北海道産の小麦を使用し、レンガの窯で薪を使ってピッツァを焼いていて、地元への誇りや愛着を持っている方です。

ピッツァは焼いた後、冷凍の商品としてMuSuBuで販売しましたが、イベント中は、生ハムとルッコラをのせた限定メニューとして店内のカフェスペースでご提供しました。

ジューシーで豊かな食感の桃、北海道産の小麦が香るもちもちとした生地、生ハムの適度な塩味とルッコラを口に含んだお客さまは、皆にこやかに…。私たちにとってもうれしい瞬間でした。

フードロスの課題を解決した「山梨Cityフルーティピッツァ」の完成を記念して、先行販売した冷凍のピッツァもイベント終了前に完売!

フードロスの新しい取り組みが皆さまの笑顔になりました。

山梨市を拠点とするサステナブルブランドも参加。捨てられる木を使いスプーンとフォークづくりを体験

イベントでは、食べること以外にも、体感・体験を通じて山梨市の魅力を知っていただくコーナーもご用意しました。

山梨市を拠点に活動している「&CRAFTS(アンドクラフト)」は、FSC(Forest Stewardship Council)認証の木材を利用した雑貨を製造・販売するサステナブルブランドで、そのコンセプトや高いデザイン性から多くの支持を集めています。

加工する段階で余り、廃棄される予定だった山梨杉などの木材を用いて、アイススプーンとデザートフォークを作る体験を実施しました。

来場者からは「思わず作業に没頭してしまう」「形を作るのが難しい」「人間の都合で捨てられる木材があることを改めて知った」といった声が聞かれました。使うたびに思い出していただけるといいですね。

“現地”と東京のヒト、モノ、コトをつなげると、互いに関心や感心が生まれる。それがMuSuBuのあり方。

MuSuBuではこのフルーティフェスにより、多くの来場者に山梨市の魅力、特に果物の素晴らしさを知ってもらえたと実感しています。また、少しずつ知っていただく機会が増えたことをうれしく感じています。

これからも八芳園は、MuSuBuから全国各地の皆様と一緒に、新しい価値の創造や情報発信に努めていきます。