ふるさとを想う高校生たちの想いをのせた「無添加 糀あまざけ」

ふるさとを想う高校生たちの想いをのせた「無添加 糀あまざけ」

八芳園と岩瀬農業高等学校の産学連携協定によって誕生した「無添加 糀あまざけ」は、グローバルGAP認証を取得した「コシヒカリ」を育てている高校生たちのふるさとを想う気持ちと、持続可能な未来への想いが込められていました。

高校生が育てたグローバルGAP認証米が「無添加 糀あまざけ」になるまで

糀あまざけ

八芳園は東京2020大会期間中、全国各地のホストタウンとホストタウン相手国の交流活動に携わりながら、オリジナルメニューの開発を担当しました。

東京2020大会の選手村で提供される食材の全ては「GAP認証」の取得が条件であり、様々なオリジナルメニューを開発する上でもその認証を取得した食材を積極的に活用することになったのです。

GAP認証を取得している食材の調査をおこなう中で、国際的に通用する農業認証であるグローバルGAPの取得に励んでいる岩瀬農業高等学校と出会いました。

高校生が育てたグローバルGAP認証米との出会い

岩瀬農業高等学校

全国各地の魅力あるGAP食材を探し求めていた八芳園は、復興から立ち上がる姿をアピールしたいと福島県がGAP認証取得日本一を目指しているという話を伺いました。

その後、2019年8月に福島県の農林水産部担当の方から、輸出が可能であるグローバルGAP認証の取得を次世代の農業を担う高校生が積極的におこなっており、しかも日本一の取得数を目指しているとご紹介いただいたのが岩瀬農業高等学校でした。

これをきっかけに、岩瀬農業高校とMuSuBuのつながりが始まったのです。

岩瀬農業高校とMuSuBuのつながり

実際にまずは産学連携協定が八芳園と岩瀬農業高等学校にとって、どれほど有意義なものであるかを確認するため、人材交流から始めることになりました。

当時、ある先生からは「首都圏の企業から一緒にやろうと声がかかることはよくある。でもいつも単発で取り組みが終わってしまって、効果が見られない。それは本当に生徒たちのためになっているのだろうか?」と厳しいお言葉をいただきました。

しかし先生方の想いは、私たち八芳園も同じでした。”生徒さんたちのために”そして”復興する福島のために”。お互いにとって、長いお付き合いをさせていただく上で、どのような交流が出来るのかを模索していました。

そこで2019年10月、まずは八芳園の料理長とスタッフが岩瀬農業高等学校に出向いて、料理長による調理実習や、生徒さん主導の稲刈り実習などを行うことになったのです。

料理長による調理実習

実際にプロの料理人の技を目にした生徒さんたちからは歓声があがり、普段は寡黙な料理長からも笑みがこぼれました。そして普段は教えてもらう立場の生徒さんも、稲刈りに不慣れな八芳園スタッフたちに、的確な指導を行い、得意げな表情に。

交流を通して締結した産学連携協定の項目は大きく3つ。そのうちの1つが「GAP認証の一般認知を広める」ということです。

GAP認証といっても、まだまだ世間には認知されていない認証です。でも実は、GAP認証の項目にはさまざまな規定があり、共通していることは「労働者の環境を守る」「自然環境を守る」「消費者の安全を守る」農業生産管理を行うことなんです。

GAP認証を取得している生産者さんが育てる食材を食べることで、私たち自身、生産者さん、そして自然環境が保たれる、まさにSDGs取り組みなのです。

「あまざけ」が選ばれた理由は、高校生たちがふるさとを想う気持ちにあった

GAP認証米

数ある候補の中であまざけにした理由は、昨今米の消費量が減少していることや、米どころ福島を強くアピールすること、そして伝統食品を次世代に継承したいという想いがありました。

東京2020大会をきっかけに世界へ福島の食べ物をアピールしたいという狙いもあり、健康のために発酵食品の人気が上がり始めていたEU圏に向けて、岩瀬農業高等学校のGAP認証米であまざけを作り、お届けしようと決めました。

EU圏を最初からターゲットした理由には、岩瀬農業高等学校の生徒さんたちがふるさとを想う気持ちがあります。 そもそも生徒さんたちが多くのグローバルGAP認証を取得した背景には、岩瀬農業高等学校が2018年頃におこなったオランダへの交換留学がありました。

留学に行った生徒さんがオランダ現地の高校で「ふくしまの食べ物は危ないと思うか?」と質問すると、ほとんどの学生さんが「そう思う」と挙手したそうです。

その光景を目の当たりにした時、「東日本大震災から7年以上経っても、いまだにEU圏ではネガティブな風評が払拭できていないんだ」と強く感じて、地元福島の農産物は安全な食べ物なのだと伝えていきたいと考え、グローバルGAP認証の取得を始めたのだそうです。オランダへの交換留学

そこで、私たちは「『ふくしまの食べ物はおいしい!』と、あのオランダの高校生たちに言ってもらいたい」という生徒さんたちの思いを叶えるには、おいしくて安全であることをどのように伝えるのがいいのか、その方法を模索しました。

インパクトがあり、かつ健康志向が強いEU圏で受け入れてもらえるもの、そこで見出したのが発酵飲料である「あまざけ」でした。

こうして最初の段階から世界に向けて福島県の食品のおいしさや安全を伝えるため、開発を重ねていったのです。

遠隔地との連携は試行錯誤の連続

記者発表会

2019年11月に八芳園と岩瀬農業高等学校の間に産学連携協定が締結され、あまざけの開発が開始。しかし、あまざけの誕生までは平坦な道のりではありませんでした。

東京2020大会を通じてあまざけを発信するために生徒の皆さんともっと交流を重ね、コンセプトやデザイン、アイディアを煮詰めていきたいと考えていた矢先に新型コロナウイルス感染症の拡大や緊急事態宣言の発令、東京2020大会の開催延期など、予定通りに進めることが難しい状況にも陥りました。

東京と福島、そして身動きが取れにくい中でも、オンラインなどを通して一緒に商品化を進めていったのです。それでも「あまざけ」の開発に関わる皆様の協力のおかげもあって、2020年7月の完成記者発表会を迎えることができました。

ラベルやボトルまで全てが福島県産のあまざけ

福島県内産のあまざけ

福島県は県内で開発から生産まですべてをまかなえる力と資源がある力強い場所です。そのことを多くの方へ伝えるために、原材料のお米や糀、ボトルやラベルデザインなど全てを福島県内で生産・調達することにこだわりました。

あまざけを造る中で触れた、福島の皆様の想いや、福島に対するネガティブなイメージを払拭したいという生徒さんたちの気持ちに強く共感し、海外に向けて、福島の食品を発信することが使命ではないかと考えたのです。

福島県郡山市にある「有限会社睦月デザイン」デザイナーの楠晃治氏が担当。コンセプトは「意志。情熱。未来。かっこいい高校生。」。複数のデザインから岩瀬農業高等学校の生徒・先生が選定し、こちらのデザインになりました。

採用されたデザインは、画家・ミレーの「種まく人」を高校生に見立て、「種まく女子高生」として現代アート風にグラフィック化。土に踏み出し未来の農業に力強く立ち向かう農業高校生の姿を象徴化し、日本国内にとどまらず世界に向けた発信力を兼ね備えています。

その後、あまざけが誕生して、生産に携わった福島の皆様にはとても喜んで頂きました。生産に関するすべてが県内で完結出来るということや、高校生と共にプロダクトを仕上げることができるのだということを、喜びの声として伺っています。

伝統と未来をつなぐあまざけの誕生

記者発表会

新型コロナウイルス感染症の拡大や緊急事態宣言の発令、東京2020大会の開催延期など、さまざまな障害を乗り越えたあまざけの誕生は関係者の皆様に、とても喜んでいただくことに。

特に高校の生徒さんたちは「すごくかっこいい」「欲しい」「1200円は高いかもしれないけど、僕たちにとっては全然安い」「僕たちの名前が出ることが誇らしくて嬉しい」という感想がありました。

未来の農業を担う若者が更に活躍

未来の農業を担う若者

また開発に携わった生徒さんたちの中には、卒業後の進路を変えた方が複数いました。 通常、農業高校を卒業したあとは、進学せず農業に関連する職場に就職するケースが多いそうです。

しかし、あまざけを開発する経験を通じて、「もっと農作物について学びたい」、「よりよい農業の未来を模索したい」と考え、専門学校や大学でさらに学びを進めることを選んだ生徒さんが増えたとのことです。

今までとは異なる未来の選択肢を見出した生徒さんや農業に従事する生徒さんも、産学連携協定を通じて生まれた企業や地域とのつながりの中で、新しい取り組みを経験して、今までにないものを得ていただけたようです。

お米の粒が残る甘くさわやかな味わいの糀あまざけ

さわやかな味わいの糀あまざけ

糀でお米を発酵させた糀あまざけは飲む点滴とも呼ばれ、豊富な食物繊維やビタミン、タンパク質を含む健康的な食品として知られています。

炊いてもおいしいコシヒカリをていねいに発酵させ、お米の粒がしっかりと残した「無添加 糀あまざけ」は、完全無添加・砂糖不使用にこだわって作り上げた自然な甘さで、お子さまから大人までお楽しみいただけるやさしい味わいと、すっきりとした後味が特徴です。

あえてしっかりと形を残したお米の粒は、舌の上でとろりと溶けて、ほのかな甘みが口に広がり、お米ならではのうまみを味わえます。

飲むだけではなく、お菓子や料理のレシピにも

お菓子や料理のレシピにもなる糀あまざけ

体にやさしい糀あまざけは、そのままでも、甘味料としてもご利用頂けます。

甘さだけでなく、お米の持つまろやかなうまみが加わることで、お菓子やお料理のおいしさが一層際立ちます。玉子焼きや煮物の甘味として、また、肉や魚を糀あまざけに漬け込み調理すると、酵素の働きでふっくらジューシーに仕上がります。ぜひご活用ください。

「無添加 糀あまざけ」は、保存料・人工甘味料・着色料などの添加物は一切不使用。お子さまから大人まで、安心してお召し上がり頂けます。

農業が持つすばらしさをPRするためにMuSuBuにできることは?

MuSuBuにできること

八芳園と産学連携協定を締結した岩瀬農業高等学校や、福島の生産者の皆さんは、持続可能な未来に向け、日々たゆまぬ努力を続けています。

八芳園は「無添加 糀あまざけ」を通じて、ひとりでも多くの方にその努力を知って頂き、福島県産食材と、安心・安全な未来の食卓を守るためのお役に立ち続けたいと考えています。

皆さまに安心してお召し上がり頂ける、完全無添加にこだわった「無添加 糀あまざけ」。是非ご賞味ください。